久しぶりに、自転車のネタを。


以前、姉の自転車を徹底的にオーバーホールしていた時に、フリーの分解もしてみた。その時の忘備録としてここに記しておこう。
はい、何の変哲もないただのシングルフリーギアですが、これを分解していきます。
…と、その前に。時々勘違いしておられる方がいるようなのですが、「シングルフリー分解」と「シングルフリー抜き」は違います。
シングルフリー抜きとは
シングルフリー抜きとは、ハブからギアごと取り替える事です。

シマノから出ている工具「TL-FW40」と言う工具を使います。
それをこの溝に引っ掛けて回して、上記の写真のようにフリーギア本体をハブから取る事です。
今回私が記すのはこちらでは無く、ギアの蓋を外して、中をオーバーホールする事です。
それではそちらを見ていきましょう。
シングルフリーギア分解さて、このフリーギア分解ですが、どうやってやるのかですが、先程の写真をもう一度ご覧ください。
まずはこの蓋を外す必要があるのですが、これを一体どうやって外すかです。
やり方は主に2通りあります。一つは、カニ目レンチを使う方法です。
カニ目レンチとは、パークツールが出しているこのような工具です。
これを使って、蓋の穴に引っ掛けて回せば外れます(^^)蓋の穴とは、上記写真の赤丸で囲った4つある穴です。
大概はこれで外れるのですが、たまにどうやっても固い時があります。そんな時はもう一つ裏技があります!
これで穴をコツコツと叩いて回します(^^)ほぼこれで外れます。相当固いようなら、ラスペネ等を吹いて少し馴染ませれば大丈夫です。
蓋を外すと、このようにかなり小さなベアリングがたくさん入っています。これを絶対なくさないように、慎重に取り除きます。
下にバットなどを敷いておくと良いでしょう。私もこの撮影時に、地面に落としてしまい、えらいことになりました…(^◇^;)
野外の作業なら、落とすと探すのが本当に大変なんで、気を付けます!
ベアリングを取ったら、上に持ち上げるとこんな感じで取る事ができます。
おそらく、一般車のシングルフリーをここまで分解する人も中々居ないでしょう(^◇^;)
構造はロードバイクのフリーと一緒です。
本体にはこのように爪が入っており、ここがハブの本体の溝に引っかかり、ハブに力を伝達する訳です。
今回のこの爪は4枚でした。この爪数やハブ側の溝が多かったり細かいと、フリーギア回転時の音が大きくなり、引っ掛かる機会が増えて空転時のトルクロスが少なくなるのですね(^^)一般車の場合、ほとんどが4枚ですね。
ちなみにこの爪を起こしているのは、ただのバネな訳ですが、このバネが折れただけで、フリーの命は終わります。バネを交換しないと爪が立たないので引っかからず、空転してしまいます…
さて、肝心のハブ側はこうなっております。溝が切られていますね。ここに先述の、フリーの爪が引っかかって力を伝えるわけですね。
しかし、この発明本当に偉大だと思いませんか?逆回転では空転し、漕げば力が伝わる。シンプルでいて、非常に天才的な発明だと思う。
しかもいつも意味不明なのが、体重が60とか80とかある人間が、思い切り立ち漕ぎとかする時、この爪に相当のパワーが掛かっているのだが、良く折れないな…と(^◇^;)
先述しましたが、この爪が折れただけでフリーは機能しなくなります。すなわち自転車が漕げなくなり進まなくなります…
恐るべし縁の下の力持ちパーツだと思います(^◇^;)
クリーニングしたら蓋を閉めるさて、中身をクリーニングしたら元に戻していきます。しかしここでかなり重要なポイントがあります!
古い汚れを拭き取ってグリスアップするのですが、先述した爪の部分には、
「粘度の高いグリスを塗らない事!」
これを守りましょう。あまり高い粘度のグリスを入れてしまうと、フリーの爪が持ち上がらず掛かりが浅くなる事があるのです。また、グリスが古くなって硬くなると同等の現象が起きます。
フリーの爪が掛からずに空回りすると、また洗浄と分解が必要になってしまうため、ここは薄めに塗るか、粘度の低い専用グリスを使いましょう(^^)

シマノからは、ちゃんと純正品が出ていますのでコレがベストかなと。
このグリスはかなり粘度が低いので、爪もちゃんと起きるので大丈夫ですよ(^^)ただし、あくまでも爪用です。ベアリングには粘度が低すぎて使用できませんので気を付けて下さい。
組み立ては逆の手順でできますので、あとは組み付けて終わりです。蓋の下の細かいベアリングには普通のグリスを塗っておけば大丈夫です!
以上、参考になりましたでしょうか?ちなみに今回のこの一般車のフリーには、何故かフリー抜きを掛けるための溝がありません…メンテナンスをして使い続けろと言う事でしょうかね(^◇^;)